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太陽系外惑星はどのようにして発見されるのでしょうか? |
ここでは、直接撮像法についてご案内します。 ←前へ その他の発見方法
この手法は、文字通り太陽系外惑星を「直接」「撮像」する方法です。
ドップラー法やトランジット法は主星に近い系外惑星の発見が得意な一方、主星から遠く離れた惑星の検出は苦手です。逆に、この「直接撮像法」は惑星からの光を直接捉えるため、主星から遠く離れている惑星の検出が得意なため、これらの探査方法は補い合う関係にあります。
しかし、遠い惑星と言っても、地球型の系外惑星の光を直接捉えるには、可視光にして主星より10桁は暗い光(25等分暗い光)を、明るい主星の光の傍で探す必要があります。例えるならば、灯台の明るいサーチライトの横で光る小さな蛍を見つけるようなものです。
そのような明るさが極めて異なるものを主星の近くで捉えるためには様々な難しさがあります。そもそも遠くの恒星の周りにある系外惑星自体が暗いので、大きな望遠鏡が必要です。しかし、そのような地上の大きな望遠鏡は、地球上の大気のゆらぎの影響で、そのままではシャープな画像を撮影できないため、高いコントラストを得るのが難しくなっています。シャープな星の像を得るために、大気のゆらぎを補正する「補償光学」という技術を用います。その上でさらにコントラストを向上させるため、明るい主星の光だけを抑えるコロナグラフの開発や、観測方法の工夫など、様々な技術を用いています。2014年現在では、直接撮像しやすい近赤外線において、主星の光より6桁暗い木星型系外惑星の直接撮像の成功例があります。
直接撮像された系外惑星はまだ2014年現在において10個程度しかなく、日本においては、ハワイ観測所にあるすばる望遠鏡に搭載された近赤外高コントラスト撮像カメラ(HiCIAO:ハイチャオ)を用いたSEEDSプロジェクトにおいて、いくつかの系外惑星の直接撮像の成果が報告されています。
観測の難しさから、これまで直接撮像された系外惑星の全てが、木星より大きな質量を持つ惑星です。しかし、次のステップとして地球型惑星の直接撮像に向けての技術開発も進められています。地上に建設予定の超大型望遠鏡や宇宙望遠鏡、補償光学のアップグレードや更なる高コントラストを目指した技術開発など、様々な手段を用いて地球型系外惑星の直接撮像計画が進められています。
文責: 日下部展彦(国立天文台)
| ◆ 参考サイト: SEEDSプロジェクト(太陽系外惑星探査プロジェクト室) ::http://esppro.mtk.nao.ac.jp/seeds
第二の木星の直接撮像(すばる望遠鏡):):http://www.naoj.org/Pressrelease/2013/08/04/j_index.html
(図5):すばる望遠鏡 HiCIAO による、太陽型恒星 GJ 504 のまわりの低質量惑星 GJ 504 b の赤外線2色合成画像。コロナグラフにより中心の明るい主星からの光の影響は抑制されていますが、それでも取りきれない成分が中心部から放射状に広がっています。右上の点状のものが系外惑星です。中心星(左下の+印でかくしてあるところ)から約44AUにあり、重さは木星のおよそ4倍です。これまで直接撮像された系外惑星の中でもっとも小さい質量の惑星であり、2013年8月現在で最も「第2の木星」と呼ぶに相応しい天体です。(クレジット:国立天文台) |
天文教育普及研究会 太陽系外惑星命名支援WG
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