(9) upsilon Andromedae (アンドロメダ座ウプシロン) 系
提案された名前の紹介(16件)
IAU公式サイトの投票ページに掲載されている、各団体が書いた文章(英文)をもとに提案名の由来について簡単にまとめました。史実や神話、小説等の厳密な内容については責任を負いかねますので、ご了承下さい。(ここに記載した由来は提案者の記述によるものであり、必ずしも事実を反映しているとは限りません。)
また提案名によっては、公式投票ページより、提案者からの動画にリンクが貼られているものがあります。この日本語サイトではリンクを貼っていません。動画は公式投票ページのリンクよりご覧下さい。
※ 公式サイトの投票ページにおいて、提案名の記載の順番がページ開き直すたびに変わります。ご注意下さい。
主星or惑星名 | 提案名 <日本語名> |
upsilon Andromedae | mame 豆 |
upsilon Andromedae b | edamame 枝豆 |
upsilon Andromedae c | soramame 空豆 |
upsilon Andromedae d | kuromame 黒豆 |
|
提案者からの解説あり:
お姫様のアンドロメダ座にある系外惑星に名前を付けたいと応募しました。アンドロメダ姫は、ギリシャ神話ではペルセウスとともにエチオピアの国を救ったお姫様
続きを読む
|
主星or惑星名 | 提案名 <日本語名> |
upsilon Andromedae | GENJI 源氏 |
upsilon Andromedae b | AOI 葵 |
upsilon Andromedae c | YUGAO 夕顔 |
upsilon Andromedae d | MURASAKI 紫 |
|
源氏の君(光源氏)は、源氏物語の名前の元となる主人公です。葵上は左大臣の娘で、源氏の君の最初の正妻です。夕顔は源氏の愛人のひとり、紫の上は物語を通じて源氏の最愛の人でしたが、源氏の妻とは認められませんでした。
|
主星or惑星名 | 提案名 <日本のグループからの提案> |
upsilon Andromedae | Honua ホヌア |
upsilon Andromedae b | Moana モアナ |
upsilon Andromedae c | Aina アイナ |
upsilon Andromedae d | La ラー |
|
提案名はいずれもハワイ語で、ホヌアは地球、モアナは大洋、アイナは陸地、ラーは太陽の意味です。名前や系は私たちのグループ内の12歳の女の子の提案で、ギリシャ神話のアンドロメダ姫に惹かれてこの星座の系を対象に選びました。提案名はいずれも生命存在に根源的なもので、ハワイ語を選んだのはハワイが天文学上重要な地だからです。
|
主星or惑星名 | 提案名 <日本のグループからの提案> |
upsilon Andromedae | Lily Bell リリーベル |
upsilon Andromedae b | Statice スターチス |
upsilon Andromedae c | Olive オリーブ |
upsilon Andromedae d | Iris アイリス |
|
広島県の女子高校生からの提案。主星は誠実と礼節の象徴である校章のスズラン(リリーベル)、惑星名は3つの校是「知識、知恵、知性」を花言葉に持つスターチス、オリーブ、アイリスを提案する。
(訳者注:この学校です。http://www.h-bunkyo.ac.jp/highschool/)
(訳者注:Irisは語源は異なるが、小惑星(7) Irisと同名。従って、名前提案のルールに反している可能性がある。)
|
主星or惑星名 | 提案名 |
upsilon Andromedae | Gefjon ゲフィオン |
upsilon Andromedae b | Lenus レヌス |
upsilon Andromedae c | Morrigan モリガン |
upsilon Andromedae d | Fenja フェニア |
|
主星ゲフィオンは北欧神話の女神で、肥沃と幸運を守護しています。レヌスはケルトやブリタニアの神、モリガンはアイルランド神話の三位一体の戦いの女神(大女王)、フェニヤは北欧神話の巨人の女性の名です。ドイツのノイミュンスター天文台が、北ヨーロッパのアマチュアを代表して、北欧神話から取った天体名を提案します。
|
主星or惑星名 | 提案名 |
upsilon Andromedae | Titawin ティタウィン |
upsilon Andromedae b | Saffar サファー |
upsilon Andromedae c | Samh サムー |
upsilon Andromedae d | Majriti マイリティ |
|
ティタウィンはモロッコ北部の世界遺産「テトゥアン旧市街」の旧名で、アンダルシアの影響を受けたイスラム時代の重要な街です。アストロラーベや日時計などの天文学上の遺産も多くあります。3つの惑星名は、いずれも10〜11世紀のアンダルシアの天文学者兼数学者にちなんだものです。
|
主星or惑星名 | 提案名 |
upsilon Andromedae | Astraios アストライオス |
upsilon Andromedae b | Tartarus タルタロス |
upsilon Andromedae c | Buer ブエル |
upsilon Andromedae d | Svadilfare スヴァジルファリ |
|
主星アストライオスはタイタン族の星の神の名前。タルタロスはギリシャの地獄の意味で、主星に最も近い灼熱の惑星にふさわしい。ブエルは北欧神話で道徳や自然哲学、論理の価値を司る神で、新発見の惑星にふさわしい。スヴァジルファリは北欧神話の馬である。
|
主星or惑星名 | 提案名 |
upsilon Andromedae | Uhuru ウフル |
upsilon Andromedae b | Aloha アロハ |
upsilon Andromedae c | Sapereaude サペレアウデ |
upsilon Andromedae d | Satyagraha サチャグラハ |
|
私たちは「人間性の基礎」をテーマに命名案を考えた。主星にスワヒリ語で自由を意味するウフルを提案する。ウフルは1970年代に活躍したX線天文衛星の名でもある。惑星名には、ハワイ語で愛情や共感を表わし、日常的に挨拶にも使うアロハ、ラテン語の慣用句で啓発を意味するサペレアウデ、独立と自由を求める非暴力不服従運動の象徴としてガンジーが造語したサチャグラハを提案する。
|
主星or惑星名 | 提案名 |
upsilon Andromedae | Rayeta ライェタ |
upsilon Andromedae b | Moltina モルティナ |
upsilon Andromedae c | Dolasilla ドラシラ |
upsilon Andromedae d | Luyanta ルヤンタ |
|
イタリアの自然世界遺産であるドロミーティ地域に伝わるラディン民話からの命名提案。惑星名のモルティナは、ファネスの人々の始祖で、やはり惑星名として提案されている双子の姉妹の王女ドラシラとルヤンタの先祖にあたる。無敵の戦士に育ったドラシラが幼いころ、英雄ワイデネットからもらった宝石が、主星のライェタである。
|
主星or惑星名 | 提案名 |
upsilon Andromedae | Solmaius ソルマイウス |
upsilon Andromedae b | Asclubro アスクラブロ |
upsilon Andromedae c | Andvari アンドヴァリ |
upsilon Andromedae d | Cepetra セペトラ |
|
主星はラテン語の「太陽」「大きな」の合語。太陽と良く似ていてやや大きいことから。惑星名のアスクラブロは、チェコのブロウモフ天文クラブの略語。同じく惑星名のアンドヴァリは北欧神話のドワーフで、オインの息子として水から生まれた。この惑星の衛星には水があるかもしれない。セペトラはラテン語の「くじら座」「岩」の合語で、主星が属するアンドロメダ座の神話で化けくじらへのいけにえとして姫が岩につながれたことから。
|
主星or惑星名 | 提案名 |
upsilon Andromedae | DOSEISENBERG ドスアイゼンバーグ |
upsilon Andromedae b | DOSPIRMASENS ドスピルマゼンス |
upsilon Andromedae c | DOSRAMMIE ドスラミー |
upsilon Andromedae d | DOSLANDAU ドスランダウ |
|
ドイツ南西部では、いくつかの学校の集合体をDOS(ドス)と呼ぶ。アイゼンバーグ、ピルマゼンス、ラムスタイン、ランダウの各都市にある学校の名前を天体名として提案する。これら4つの学校では天文学に関心を持ち、金星日面経過などを学習している。
|
主星or惑星名 | 提案名 |
upsilon Andromedae | Flamstedius フラムステディウス |
upsilon Andromedae b | Grenovicum グレノヴィクム |
upsilon Andromedae c | Londinium ロンディニウム |
upsilon Andromedae d | Cantium カンティウム |
|
主星には340年前に初代王室天文官に任じられたイギリスの天文学者フラムスティードを記念した命名を提案する。惑星名には、彼が建てた天文台が位置するグリニッジ、ロンドン、および当時イギリス最大の都市だったケントを記念した名前を提案する。これらの天体名は、いずれもラテン語で記述されている。この系に惑星が新たに発見された場合、同一の趣旨でたくさん名前を提案できる。
|
主星or惑星名 | 提案名 |
upsilon Andromedae | Aeolus アイオロス |
upsilon Andromedae b | Telemachus テレマコス |
upsilon Andromedae c | Ithaca イタカ |
upsilon Andromedae d | Hypatia ヒュパティア |
|
アイオロスはギリシャ神話の風を司る神ですが、神話では3人の人物に共通した名前です。3人を区別して語るのは難しく、古代の神話伝承でも同定に困っていました。テレマコスもギリシャ神話の人物で、オデュッセウスとペネロペの息子です。ホメロスの「オデュッセイア」に登場します。イタカはオデュッセウスの故郷の島の名前です。ヒュパティアはギリシャの数学者・天文学者で、エジプトで活躍しました。
(訳者注:Telemachusは小惑星(15913)に命名済み。Hypatiaは小惑星(283)や月のクレーター名にもあり。従って、名前提案のルールに反している。)
|
主星or惑星名 | 提案名 |
upsilon Andromedae | Moore ムーア |
upsilon Andromedae b | Sagan セーガン |
upsilon Andromedae c | Clarke クラーク |
upsilon Andromedae d | Schiehallion シェハリオン |
|
主星は高名なイギリスのアマチュア天文家で教育者で作家のパトリック・ムーアを記念、惑星の2つははアメリカの天文学者カール・セーガン、アーサー・C・クラークを記念。シェハリオンはスコットランド中央の山の名で、1774年にマスケリンが地球の質量(正しくは平均密度)の計測実験を行なった場所である。
(訳者注:(2602) Moore、(2709) Sagan、(4923) Clarkeは小惑星に命名済み。従って、名前提案のルールに反している。)
|
主星or惑星名 | 提案名 |
upsilon Andromedae | Verne ベルヌ |
upsilon Andromedae b | Heinlein ハインライン |
upsilon Andromedae c | Asimov アシモフ |
upsilon Andromedae d | Clarke クラーク |
|
主星は高名なSF作家ジュール・ベルヌ、惑星はその影響を受けたロバート・ハインライン、アイザック・アシモフ、アーサー・C・クラークの3人のSF作家の名を冠した。
(訳者注:(5231) Verne、(6371) Heinlein、(5020) Asimov、(4923) Clarkeと、すべて小惑星名。従って、全ての名前が名前提案のルールに反している。)
|
主星or惑星名 | 提案名 |
upsilon Andromedae | Herschel ハーシェル |
upsilon Andromedae b | John ジョン |
upsilon Andromedae c | William ウィリアム |
upsilon Andromedae d | Caroline カロライン |
|
ハーシェル家は天文学者を輩出した一族として有名である。天王星を発見したウィリアム、その妹カロライン、そしてウィリアムの息子ジョンが惑星名として提案されている。
(訳者注:(2000) Herschelは小惑星に命名済み。従って、名前提案のルールに反している。また、Williamは語源は異なるが、小惑星(270373) Williamと同名。)
|
提案された名前の紹介 トップページにもどる