(5) Pollux (beta Geminorum) (ポルックス = ふたご座ベータ) 系
提案された名前の紹介(18件)

IAU公式サイトの投票ページに掲載されている、各団体が書いた文章(英文)をもとに提案名の由来について簡単にまとめました。史実や神話、小説等の厳密な内容については責任を負いかねますので、ご了承下さい。(ここに記載した由来は提案者の記述によるものであり、必ずしも事実を反映しているとは限りません。)

また提案名によっては、公式投票ページより、提案者からの動画にリンクが貼られているものがあります。この日本語サイトではリンクを貼っていません。動画は公式投票ページのリンクよりご覧下さい。

Pollux (beta Geminorum) 自身には既に名前があるため、惑星のみの命名となります。
[ ]は訳者による補足

※ 公式サイトの投票ページにおいて、提案名の記載の順番がページ開き直すたびに変わります。ご注意下さい。

主星or惑星名提案名 <日本語名>
beta Geminorum bkinsan 金さん
提案者からの解説あり:
日本には「金さん」「銀さん」と呼ばれている有名な双子の姉妹がいました。金さんは、姉の名前で銀さんは妹の名前です。続きを読む


主星or惑星名提案名 <日本語名>
beta Geminorum bToki 朱鷺
朱鷺は日本にいる鳥です。
(朱鷺は日本の鳥です。野生の朱鷺は絶滅してしまいましたが、国際協力の結果、人工繁殖に成功しました。これは今でも続いています。“生命”は、この星がある ふたご座の伝説でもあります。なので、生命の継続と連続性の象徴を想像し、朱鷺の名を提案します。)


主星or惑星名提案名 <日本のグループからの提案>
beta Geminorum bPolluxson
ポルックスと息子sonを合成して作った。ふたご座ベータb星とポルックスとは家族のようであり、ふたご座ベータb星はポルックスの息子だと考えた。我がクラブでは多くの子供が活動に参加しており、その親や家族も分かちがたい関係で結びついている。そこで、この星系も家族のようになってほしいとの望みから命名した。これらの惑星が世界中の人々から家族のように愛されることを望む。


主星or惑星名提案名 <日本語名>
beta Geminorum bKaguya かぐや
「かぐや」は日本の昔話「竹取物語」の主人公。この惑星は2006年に1等星の周りで最初に見つかった。竹取物語は老人(翁)が光り輝く竹の中に小さな姫君を見つけるところから始まる。そこで、翁は彼女を光り輝く姫という意味でかぐや姫と名付けた。ここから、明るい星を巡る惑星に相応しい名前としてかぐや姫にちなんで「かぐや」と名付けることを推奨したい。
提案者からの解説を読む

(訳者注:(10880) Kaguyaは小惑星に命名済み。従って、名前提案のルールに反している。


主星or惑星名提案名 <日本語名>
beta Geminorum bAmaterasu 天照らす
日本神話での太陽神

(訳者注:(10385) Amaterasuは小惑星に命名済み。従って、名前提案のルールに反している。


主星or惑星名提案名
beta Geminorum bKaru カル
ケシュア語[インカ帝国の公用語で現在も南米で話されている言語]で遥か彼方の意味


主星or惑星名提案名
beta Geminorum bsamba
サンスクリット語[古代インドの言語で梵語ともいう]で非常に古いという意味で、万人から尊敬される存在です。
(Sambaはサンスクリット語に由来します。)


主星or惑星名提案名
beta Geminorum bOurea ウーレアー
ふたご座ベータ星にある惑星ふたご座ベータb星の名前として“ウーレアー”を提案します。ギリシア神話では“ウーレアー”は太古の山の神々の名で、ガイア(ギリシアの最初の神)の子孫であり、最初に生まれた原始的な神または女神です。私はこの名前を思いつき、系外惑星には何らかの意味で“最初に生まれた”とか“原始的な”ものであるべきだと思います。また、ガス・氷・岩石、いずれの型の惑星でもうまく付けられる名前を考えました。


主星or惑星名提案名
beta Geminorum bKashani カーシー
ジャムシード・ギヤースッディーン・アル・カーシー。
カーシー[日本では、アル・カーシーと呼称]はペルシア帝国史上最高の数学者であり天文学者である。この名を提案するのは、カーシーが惑星計算機を発明したからで、この機械を彼は「領域板」と呼んだが、太陽や月や楕円軌道に基づく惑星の経度の真の値や太陽・月・惑星の緯度や黄道など、惑星に関する問題を幾何学的に解くことができた。


主星or惑星名提案名
beta Geminorum bMnesileüs
ギリシア神話ではポルックス(古代ギリシア語ではポリュデウケース)にはMnesileüsという名の息子がいた。我々は、ネッシルエユスと発音すると思っている。元の神話では他の綴りもあることに注意した上で、我々はこの書き方がある程度は発音しやすいのではと思う。この世代型の命名法は我々の太陽系で長い伝統をもつもので、天王星[ウラヌス]の子供が土星[サターン]であり、その子が木星[ジュピター]で、さらにその子が火星[マーズ]と水星[マーキュリー]になっている。 この情報は“The Meridian Handbook of Classical Mythology” 1970年版に由来する。


主星or惑星名提案名
beta Geminorum bKoodjal
ポルックスはふたご座で最も明るい。ポルックスと、ふたご座で2番目に明るい星カストルはギリシア・ローマ神話では双子である。 西オーストラリアの南西の隅が出身のヌーンガー・アボリジニの人々は地球で最初の天文学者である。彼らの夜話は天文学に富んでいる。彼らは星によってどんな食べ物が食べられるのか、それぞれの季節がいつ始まるのかを知った。 "Koodjal"は西オーストラリアの南西に住むアボリジニ[オーストラリアの原住民]の公用語で"2つ"を意味する。この単語はヌーンガー言語学者のローズ・ホワイトフーストが編纂した最初のヌーンガー・アボリジニ辞典に収録されている。辞書は南西アボリジニ海陸議会のウェブサイトから利用できる。www.noongerculture.org.au


主星or惑星名提案名
beta Geminorum bPal
Palとは双子のように仲良しになること。


主星or惑星名提案名
beta Geminorum bLucius ルキウス
ルキウス・カエサリウス・Q.F.Q.N.マテルス・ディアデマトゥスはカストルとポルックス神殿をつくった執政官。


主星or惑星名提案名
beta Geminorum banipsia
ギリシア語で姪のこと。


主星or惑星名提案名
beta Geminorum bHOPE
この星は太陽より大きい。ポルックスを巡る惑星は1993年から兆候があった。惑星ポルックスbの存在は2006年6月16日に確認、公表された。ポルックスbは少なくとも木星の2.3倍の質量を持つ。ポルックスの周囲を約590日で公転している。


主星or惑星名提案名
beta Geminorum beternal
永遠に寄り添えるような親しい友人のような兄弟が欲しいという願望から。


主星or惑星名提案名
beta Geminorum bLEDA レーダー
レーダーはカストルとポルックスの母である! ギリシア神話ではレーダー(レダとも)はアイトーリア王テスティオスの娘でスパルタのテュンダレオース王の妻。彼女の話は、ルネッサンス以降の芸術において、レダと白鳥として、よく知られた題材となった。彼女はトロイのヘレン、クリュタイムネーストラー、そしてカストルとポルックスの母である。
ゼウスはレーダーにあこがれ、白鳥に化けて彼女を誘惑した。白鳥となったゼウスは追ってくる鷹から守ってもらうために彼女の腕に飛び込んだ。2人が交わったのと同じ夜に彼女は夫のテュンダレオースと一夜を共にしたため、2つの卵が生まれ、そこからヘレン(のちに、トロイのヘレンとして知られる美女)とクリュタイムネーストラー、そしてカストルとポルックス([二人は]ディオスクーロイとしても知られる)が誕生した。どの子が死すべき運命にあるテュンダレオース王の子で、どの子がゼウスの子であって半ば不死であるのかはわからなかったし、誰がどちらの卵から生まれたのかも定かではない。分裂した場合には、ほとんど常に半神半人となるが、対合の場合には子供が対となるものを受け継ぐとは限らない。カストルとポルックスの場合、時として2人とも人となり、時として神となる。1つはっきりしていることは、どちらか1人だけが不死となる場合には、それはポルックスであった。また、ヘレンはゼウスの娘であることは常に言われている。
レーダーはテュンダレオースとの間に他の娘も設けている。ティーマンドラーとポイベーとピューロノエーである。 ホメロスのイリアスでは、ヘレンはトロイの城壁から見下ろし、なぜ兄弟の姿がアカイア人の中にいないのかいぶかった。語り部は2人は既に死んでおり、母国ラケダイモーンに葬られたと語るので、少なくともホメロスの伝承では2人とも人であったということがうかがえる。
別の神話では、ネメシスがヘレンの母であり、やはりゼウスが白鳥の姿で孕ませたとする。羊飼いが卵を見つけ、レーダーに与え、彼女は卵が孵るまで大切にその胸に抱いていた。卵が孵ったとき、レーダーはヘレンを娘とした。ゼウスもヘレンの誕生を祝して、はくちょう座を作った。
レダと白鳥、レダと卵は昔の芸術では人気のある題材であった。古典時代以降の芸術では発想の源泉となった。

(訳者注:(38) Ledaは小惑星に命名済み。また、木星の衛星の名前にもなっている(Jupiter XIII)。従って、名前提案のルールに反している。


主星or惑星名提案名
beta Geminorum bLeda レーダー (上記 LEDAと同じ名前案)
ギリシア神話では、カストルとポルックスの双子の兄弟の父はゼウスかテュンダレオース(スパルタの王)であり、どちらであるかは由来とする伝承の違いによる。しかし、どの伝承でもレーダーは彼らの母であり、天体であるポルックスの周りを彼の美しき母が永遠に軌道にのって巡っているのは、まさにふさわしい。

(訳者注:(38) Ledaは小惑星に命名済み。また、木星の衛星の名前にもなっている(Jupiter XIII)。従って、名前提案のルールに反している。


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