(16) 55 Cancri (かに座55) 系
提案された名前の紹介(14件)

IAU公式サイトの投票ページに掲載されている、各団体が書いた文章(英文)をもとに提案名の由来について簡単にまとめました。史実や神話、小説等の厳密な内容については責任を負いかねますので、ご了承下さい。(ここに記載した由来は提案者の記述によるものであり、必ずしも事実を反映しているとは限りません。)

また提案名によっては、公式投票ページより、提案者からの動画にリンクが貼られているものがあります。この日本語サイトではリンクを貼っていません。動画は公式投票ページのリンクよりご覧下さい。

※ 公式サイトの投票ページにおいて、提案名の記載の順番がページ開き直すたびに変わります。ご注意下さい。

主星or惑星名提案名 <日本語名>
55 CancriYAMABUKI 山吹
日本の伝統的な色
55 Cancri bKOHAKU 琥珀
日本の伝統的な色
55 Cancri cWASABI 山葵
日本の伝統的な色
55 Cancri dMIKAN 蜜柑
日本の伝統的な色
55 Cancri eSAKURA
日本の伝統的な色
55 Cancri fKONJIKI 金色
日本の伝統的な色


主星or惑星名提案名 <日本語名>
55 CancriKOKORO
55 Cancri bMANAZASHI まなざし
55 Cancri cTEZAWARI 手触り
55 Cancri dNE
55 Cancri eAJIWAI 味わい
55 Cancri fKAORI 香り

日本の和の心を強調して、五感に対応する5つの言葉を提案します。


主星or惑星名提案名 <日本語名>
55 CancriVegetarian ベジタリアン
55 Cancri bSolitaire ソリティア(カードゲームの名前)
55 Cancri cNayomu (造語)
55 Cancri dNikuman 肉まん
55 Cancri eSunrise サンライズ
55 Cancri fMihimikaeri Sei (造語)


主星or惑星名提案名 <日本語(アイヌ語)名>
55 Cancrimeru メル
アイヌ語(北海道の先住民の言葉)で光の意
55 Cancri bpirka ピリカ
アイヌ語で美しさの意
55 Cancri cmosir モシリ
アイヌ語で大地の意
55 Cancri dchise チセ
アイヌ語で家の意
55 Cancri eram ラム
アイヌ語で心の意
55 Cancri frera レラ
アイヌ語で風の意


主星or惑星名提案名
55 CancriSua
チブチャ語(コロンビア先住民ムスイカ族が用いていた言語)で太陽の意。
55 Cancri bBochica
ムスイカ族の神話に出てくる神の1人。
55 Cancri cTintoa
主星に近いので乾燥した環境。
(訳者注:ムスイカ族の神話に出てくる戦士の名前。)
55 Cancri dSunuba
主星から遠く、Tintoa と離れた王女の悲しい運命を星の湿度と関係させて。
(訳者注:ムスイカ族の神話に出てくる王女の名前。)
55 Cancri eChaquén
18時間という短い軌道のため、「酩酊」と関係して。
55 Cancri fChibchacum
ムスイカ族の神話に出てくる神の1人。ハビタブルゾーンにあるのでハビタブルムーンがあるかも。

チブチャ後を話すコロンビアの先住民「ムスイカ族」に伝わる神話から引用してきた神などの名前。
(訳者注:Tintoa:ムスイカ族の神話に出てくる戦士。Sunuba: 神話に出てくる王女の名前。Chaquen: 神話に出てくる神、TintoaとSunubaを罰し、それぞれを乾燥した地、沼地へと送る。)。詳細は原文参照


主星or惑星名提案名
55 CancriÑamandu
アメリカの先住民の一つであるグアラニー語の神話から、他の神々を作った最初の存在。
55 Cancri bÑandesy
ñamanduが自分の伴侶として作った女神。 女神は双子を産み、1人は太陽、もう1人は月を司っています。
55 Cancri cPy’aguasu
ñamanduの作った神の1人。言語と言葉の父。
55 Cancri dKarai
ñamanduの作った神の1人。炎と太陽の火を司るもの。
55 Cancri eYakaira
ñamanduの作った神の1人。霧と靄、シャーマンの使う煙を司るもの。
55 Cancri fTupã
ñamanduの作った神の1人。水と雨と雷を司るもの。


主星or惑星名提案名
55 Cancri55 Cancri
55 Cancriそのままがいい。
55 Cancri bScyllae
スキュラはイタリアの民間伝承に出てくる伝説上の海の生き物である一方、食用のワタリガニ属の学名でもある。 155 Scylla は小惑星の名前になっているので、複数形で表現。また、ワタリガニはシンガポールの料理で鍵となる役割をになっている。神話と科学的な命名法とがうまくマッチした名前である。
55 Cancri cTachypleus
カブトガニの属名。
55 Cancri dBirgus
55 Cancri星系で最も遠く、巨大な惑星であるので、最大のヤドカリであるヤシガニ。 分類学上はカニとは別であるが、「自ら出たカニ」というのとこの惑星の主星との距離が遠い事を表現して。
55 Cancri e(Para)Lithodes
Lithodes の名は、King Crab(タラバガニ)とストーンクラブ(イバラガニ)のグループを示す。 スーパーアースと考えられるこの惑星に岩石を思わせるカニの名前を提案します。 最後に、タラバガニはシーフードとして商業的に重要です。
55 Cancri fUca
シオマネキ属の名前を提案します。 シオマネキは比較的小さいサイズにもかかわらず、大きさの違うツメを持っています。離心率が0.3という風変わりな軌道を持つこの惑星と、不均衡な爪という特徴からこの名前を提案します。


主星or惑星名提案名
55 CancriAreg
今回の命名対象のリストの中で、唯一5つの惑星を持つこの星は、私たちの太陽系で肉眼で見える惑星と良く似ている。古代アルメニア人の言葉で太陽系は、Areg (太陽)、 Paylatzu (水星)、 Arusyak (金星)、 Hrat (火星)、 Lusntag (木星)、 Erevak (土星)。ここでは太陽にあたるAregを提案。
55 Cancri bArusyak
アルメニア語で金星
55 Cancri cHrat
アルメニア語で火星
55 Cancri dErevak
アルメニア語で土星
55 Cancri ePaylatzu
アルメニア語で水星
55 Cancri fLusntag
アルメニア語で木星

(訳者注:下記提案と由来は同じだが、スペルが一部異なる。)


主星or惑星名提案名
55 CancriAregak
今回のリストの中で5つの惑星を持つこの天体は、我々の太陽系の肉眼で見える惑星系と良く似ている。古代アルメニア人の言葉で太陽系は、Aregak (太陽)、 Paylatzu (水星)、 Arusyak (金星)、 Hrat (火星)、 Lusntag (木星)、 Yerevak (土星)。ここでは太陽ににあたるAregakを提案。
55 Cancri bArusyak
アルメニア語で金星
55 Cancri cHrat
アルメニア語で火星
55 Cancri dYerevak
アルメニア語で土星
55 Cancri ePaylatzu
アルメニア語で水星
55 Cancri fLusntag
アルメニア語で木星

(訳者注:上記提案と由来は同じだが、スペルが一部異なる。)


主星or惑星名提案名
55 CancriCopernicus コペルニクス
惑星の運行の基礎を作ったコペルニクス
55 Cancri bGalileo ガリレオ
木製の衛星を望遠鏡で観測し、地球の周囲を回っていないはじめての天体を発見したガリレオ。
55 Cancri cBrahe ブラーエ
ティコ・ブラーエ、望遠鏡が無い時代最後の偉大な天文学者。
55 Cancri dLippershey リッペルスハイ
望遠鏡を発明しました。
55 Cancri eJanssen ヤンセン
しばしば、望遠鏡の『共同発明者』といわれることも。
55 Cancri fHarriot ハリエット
望遠鏡を使ってはじめて月の図面を描いた。

KNVWSの団体からは、惑星系の理解や、望遠鏡の導入で重要な役割をはたした人の名前を提案します。


主星or惑星名提案名
55 Cancrichristmas island クリスマス島
我々は“Christmas Island (クリスマス島)”を提案します。 この星がかに座にある赤色矮星(*1)であることから、島原産の赤いカニに関連して提案します。

クリスマス島では雨期になると、何百万ものカニが産卵のために海へ数日もかかる大移動をします。島の人々はカニが道をわたるのを尊重し、保護しています。

55 Cancriはハビタブルゾーンに一つの惑星(55 cancri f)を含みますが、この惑星の離心率は0.3もあり、もしこの惑星に空気があるのならば、この離心率は一年の間に大きな気候変動を引き起します。 地球の島の生態系は気候変動に非常に弱く、ハビタブルゾーンにあることと、極端な気候変動が起こりうる惑星系の名前が「クリスマス島」であることは、私たちの環境の気候変動に対するもろさや危険性の認識を上げる事を願っています。

また、クリスマス島の住人が赤いカニを大事にしていることから延長して、地球の市民の地球環境への意識そのものを示唆すると思います。 最後にクリスマス島の旗の中に、発見されている惑星の数と同じ5つの星のマークを含む点を上げておきます。それにちなんで、以下の惑星の名前はカニの解剖名もしくは海洋生物関連の名前を使用しました。
55 Cancri bCarapace 「甲羅」
最大の惑星(d)は、カニの本体の大きな中心部のため「甲羅」を提案します。(*2)
55 Cancri cPropodus (カニの足の前節)
カニの前節はその大きさにおいて足の次になります。以後、サイズ順に提案していきます。
55 Cancri dCarapace 「甲羅」
最大の惑星(d)は、カニの本体の大きな中心部のため「甲羅」を提案します。
55 Cancri eCarpus 手根
最も小さい惑星は「手根」を提案します。
55 Cancri fChela はさみ
惑星fには生命を「つかんだ」かもしれないか、ハビタブルゾーンに「ひっかいた(ひっかかった?)」かも知れないことに由来して「はさみ」を提案します。

(訳者注:
*1: 赤色矮星は連星のもう片方である55 Cancri B。5つの惑星を持つ55 Cancri A はK型で太陽より少しだけ暗い星なので、「赤い」というわけではない。
*2:ここはbなのでdではない。dと同じ名前が提案されている。)


主星or惑星名提案名
55 CancriMagayon
フィリピンの方言で「美しい」を意味する言葉
55 Cancri bMaganda
フィリピンの言葉で「美しい」の意
55 Cancri cMarikit
これもフィリピンの言葉で「美しい」の意
55 Cancri dMayumi
フィリピンの言葉で「美しい」の意

(訳者注:Mayumiは語源は異なるが、小惑星(9418) Mayumiと同名。従って、名前提案のルールに反している可能性がある。
55 Cancri eSodop
惑星を構成している1/3がダイアモンドと考えられている惑星なので、フィリピンの神話で金(gold)の女神「Sodop」から
55 Cancri fMapintas
これもフィリピンの言葉で「美しい」の意


主星or惑星名提案名
55 CancriMike&Michelle
ロバート A. ハインライン (1966)の小節「月は無慈悲な夜の女王」(原題:From The Moon is a Harsh Mistress)の小節より、 月の植民地管理のための人工知能(AI)が2つの個性「マイク」と「ミッシェル」を持つようになり、地球との戦争の際に自由の名に置いて鍵となる役割を演じる。
55 Cancri bJOSHUA
1983年のアメリカ映画「ウォーゲーム」(原題:War Games)より、 軍の核戦争シミュレーター用の人工知能「ウォーパー」(WOPR:War Operation Plan Response、戦争作戦計画対応)に「ジョシュア」というホストコンピュータからハッキングした少年が、「世界前面核戦争」のゲームを始めてしまう。軍のシミュレーターの影響で現実世界でもソ連とアメリカの緊張感が高まり、現実的な核戦争の危機に陥る。戦争を食い止めるために○×ゲームから学んだ事は、「勝つための唯一の手段は、プレイしない事だ。」
55 Cancri cSIMONE
2002年のアメリカ映画『シモーヌ』(原題: S1m0ne)より、 シミュレーションソフトで作った仮想的に作り出した大女優。
55 Cancri dHAL
「2001年宇宙の旅」(原題:2001: A Space Odyssey)より、 人工知能であるハルは宇宙船ディスカバリー1の正式なメンバー。

(訳者注:(9000) Halは小惑星に命名済み。従って、名前提案のルールに反している。
55 Cancri eSAMANTHA
2013年のアメリカ映画 「her/世界でひとつの彼女」(原題:Her) より、 魅力的で人間らしい人工知能サマンサから。

(訳者注:Samanthaは語源は異なるが、小惑星(3147) Samanthaと同名。従って、名前提案のルールに反している可能性がある。
55 Cancri fJANE
オーソン S. カード (1986)「エンダーのゲーム」(原題:Ender’s Game) シリーズより、 恒星間のコンピュータ・ネットワークの中で産まれた人工知能の名前。

これらの作品は世界中で非常に広い影響があり、ひとつの文化に起因しているというわけではない。これらのAIの実体は我々の中や人々の間、至る所にあります。この考え方であれば、まだ未発見の惑星に名前を付ける事も簡単です。


主星or惑星名提案名
55 CancriManala
フィンランドの民間伝承にでてくる生き物と場所の名前から提案します。 主星である55 Cancri には、アンダーワールド(死者の世界)を意味する伝統的な名前のひとつです。
55 Cancri bAarni
フィンランドの民間伝承で、不思議な宝を守護する生き物。
55 Cancri cPohjola
バルト海のフィンランドの神話において「Pohjola(ポホヨラ)」は北の土地。悪の起源と考えられており、病気や厳しい寒さはポポヨラからくると見なされた。また、フィンランドの民族叙事詩である「カレワラ」で重要な役割を果たしている。

(訳者注:(3606) Pohjolaは小惑星に命名済み。従って、名前提案のルールに反している。
55 Cancri dTuonela
フィンランドの神話に出てくるアンダーワールド(死者の領域)の名前の一つ。 生きている人も、時々情報を得るためその世界を訪問することがあった。この”Tuonela”もフィンランドの民族叙事詩「カレワラ」で重要な位置をしめる。
55 Cancri eLintukoto
「鳥の故郷」の意味。 フィンランド神話では、地球は平らであると考えられており、地球の端は鳥が冬の間住んでいる暖かい地域であると思われていた。鳥がLintukoto と共に動いている下がっていくと考えられていたため、天の川はLinnunrata(鳥の通り道)と呼ばれていた。 最近のフィンランド語では、”lintukoto” は想像上の、楽しくて暖かい、静かなパラダイスのような場所を意味しています。
55 Cancri fVainajala
フィンランド神話に出てくる死者の世界の名前の一つ。


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