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惑星系 OGLE235-MOA53 の解説

重力マイクロレンズ法で初めて発見された系外惑星系

主星名
(カタログ名)
惑星名
(記号表記)
惑星の質量
(木星質量)
惑星の質量
(地球質量)
公転周期(日) 軌道長半径
(天文単位)
発見(年) 星座名 星座名の意味 可視性 V等級
OGLE-2003-BLG-235
/
MOA-2003-BLG-53L
OGLE-2003-BLG-235
/
MOA-2003-BLG-53L b
2.6 826.4 5.1 2004 Sagittarius
いて座
The Archer

OGLE235-MOA53
 この惑星系は重力マイクロレンズ法によって世界で初めて発見された系外惑星系です。2003年に行われた観測で発見され、2004年にその発見が報告されました(図1)。

 惑星系はいて座の方向の地球から約1万9千光年離れた場所に位置しています。主星は太陽の約2/3倍、惑星は木星の約2.6倍の質量をもち、主星と惑星の距離は4.3天文単位以上離れています。他の系外惑星に比べて、地球から非常に遠く離れた場所にあることと、主星と惑星の距離が比較的大きなことが特徴です。

 この惑星の発見には、日本の観測グループ「MOA(モア)」が大きな貢献を果たしました。MOAは名古屋大学(現在は加えて大阪大学)が主導する国際研究チームで、ニュージーランドの天文台に設置した専用望遠鏡を用いて、重力マイクロレンズ法による系外惑星探索を精力的に行っています。ちなみに、「MOA (Microlensing Observations in Astrophysics)」というグループ名は、ニュージーランドに約600年前まで存在していた飛べない巨大な鳥「moa(モア)」にちなんで名付けられました。

 なお、この惑星系の正式名称はOGLE-2003-BLG-235/MOA-2003-BLG-53L(惑星名はbを付したOGLE-2003-BLG-235/MOA-2003-BLG-53L b)といいます。この長い名前の付け方は重力マイクロレンズ法特有のもので、「/(スラッシュ)」前後の「OGLE-2003-BLG-235」と「MOA-2003-BLG-53」はそれぞれ別の観測グループであるOGLE(オーグル)とMOAがこの重力マイクロレンズ事象を独立に発見した際に付けた事象名を示しています。2003は事象が観測された西暦、BLGは事象が観測された方向である銀河中心(バルジ)を意味していて、235と53はそれぞれのグループで付けられた通し番号です。惑星系の名称の最後に付された「L」は、「レンズ天体」を意味しています(レンズ天体ではなく光源天体を指し示す場合には、「L」の代わりに「S」を付けます)。

文責:福井暁彦(国立天文台)
(図1)

(図1)2003年に観測された、惑星を伴う重力マイクロレンズ事象OGLE-2003-BLG-235/MOA-2003-BLG-53の観測データ(Bond et al. 2004の図を改変)。青と赤はそれぞれMOAとOGLEの観測によって得られたデータを示す。7/19の前後に見られる2つの鋭いピークは、レンズ星が惑星を伴っていることにより生じている。


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日本天文協議会 IAU太陽系外惑星系命名支援WG

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