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惑星 HD 149026 b の解説

高密度ホットジュピター、すばる望遠鏡で初めて発見された系外惑星

主星名
(カタログ名)
惑星名
(記号表記)
惑星の質量
(木星質量)
惑星の質量
(地球質量)
公転周期(日) 軌道長半径
(天文単位)
発見(年) 星座名 星座名の意味 可視性 V等級
HD 149026 HD 149026 b 0.36 113.1 2.88 0.04288 2005 Hercules
ヘルクレス
The Hercules Visible through binoculars 8.2

HD 149026 b
 HD 149026 bはホット・ジュピターの一つで、ヘラクレス座付近、260光年彼方にある明るさ8.2等の太陽型星を周っており、2005年にすばる望遠鏡初の系外惑星検出として報告されました。

 中心星(HD 149026)の質量は太陽の1.3倍、惑星の質量はおよそ土星の1.3倍 (木星の0.36倍)、半径は土星の0.79倍(木星の0.65倍)、そして公転周期はおよそ2.9日と非常に短時間です。

 さらにこの惑星は幸運なことに、惑星がトランジットをしていたので、その後の詳しい研究対象として理想的な惑星と言えます。中心星に近いガス惑星なので熱で大きく膨張していて密度が小さいと思われましたが、トランジット解析の結果、実際には1立方センチメートルあたり1.6グラムという、土星の2倍以上の密度があると分かりました。そのため、この惑星の中心核の質量は地球質量の80-100倍ほどにもなると考えられています (木星の中心核は地球質量の10倍程度、図参照)。現在でもその形成や大気の状態を解明するべく、重要な研究対象として名の知れた天体となっています。

文責:原川紘季(国立天文台)

HD 149026 b の中心核の模式図。木星と比較すると非常に大きく重い中心核を持つ。


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日本天文協議会 IAU太陽系外惑星系命名支援WG

天文教育普及研究会 太陽系外惑星命名支援WG