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惑星系 HD 104985 b の解説

日本で初めて発見された系外惑星

主星名
(カタログ名)
惑星名
(記号表記)
惑星の質量
(木星質量)
惑星の質量
(地球質量)
公転周期(日) 軌道長半径
(天文単位)
発見(年) 星座名 星座名の意味 可視性 V等級
HD 104985 HD 104985 b 6.3 2002.3 198.2 0.78 2003 Camelopardalis
きりん座
The Giraffe Faint to the naked eye 5.8

HD 104985 b
 HD 104985 b は、日本で初めて発見された惑星です。

この惑星は、木星の2倍程度の質量をもっており、太陽質量の約1.8倍の質量を持った巨星HD104985の周りを180日周期で公転しています。

 巨星とは、主系列星から進化が進んだ段階の星のことを指します。

太陽の1.5倍以上の質量を持つ重たい星の場合、主系列の段階では星のスペクトルがなまされているため、惑星を検出できるほど精密な測定ができません。

しかし、巨星段階に進化した星であれば、重たい星のまわりでも惑星を探すことが出来るようになります。

太陽よりも重たい星のまわりで惑星を探すことで、太陽とは異なるタイプの星での惑星系の様子がわかり、宇宙における惑星系の普遍性や、より一般的な惑星の形成メカニズムを知ることができます。

 この惑星は、国立天文台岡山天体物理観測所(岡山観測所)の口径188cmの望遠鏡とHIDES(ハイデス)と言われる分光器を用いた視線速度法による観測で発見されました。

岡山観測所では、2001年から惑星探しのプロジェクトを進めており、太陽の1.5~5倍の質量を持った巨星約300個を観測対象にしています。

この惑星探しプロジェクトは、2005年以降、日本だけにとどまらず、日本、中国、韓国、トルコの研究者と協力した国際惑星探しネットワークに発展しており、これまでに約30個の惑星を発見しています。

文責:大宮正士(国立天文台)

参考ページ:岡山天体物理観測所・研究成果の紹介「巨星のまわりの惑星を発見」

http://www.oao.nao.ac.jp/public/research/hd104985/

図1 HD104985に発見された惑星と太陽系惑星との比較(縮尺は正確ではない)@岡山天体物理観測所


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日本天文協議会 IAU太陽系外惑星系命名支援WG

天文教育普及研究会 太陽系外惑星命名支援WG