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惑星 55 Cancri e の解説

短周期トランジットスーパーアース

主星名
(カタログ名)
惑星名
(記号表記)
惑星の質量
(木星質量)
惑星の質量
(地球質量)
公転周期(日) 軌道長半径
(天文単位)
発見(年) 星座名 星座名の意味 可視性 V等級
55 Cancri 55 Cancri b 0.8 254.3 14.65 0.1134 1996 Cancer
かに
The Crab Faint to the naked eye 6
55 Cancri c 0.17 53.7 44.34 0.2403 2002
55 Cancri d 3.84 1218.9 5218 5.76 2002
55 Cancri e 0.03 8.3 0.74 0.0156 2004
55 Cancri f 0.14 45.8 260.7 0.781 2007

55 Cancri e
 視線速度法により、1997年にかに座55番星(55 Cancri)周りで最初の惑星(55 Cancri b)が発見され、2004年に4個目の惑星 55 Cancri e発見の報告がされました。そして、2010年にデータの再解析によって、55Cancri eの公転周期が約17.6時間であることが判明しました。その後、2011年に、55 Cancri eがトランジットを起こすことがMOST衛星およびスピッツァー宇宙望遠鏡によって確認されました。

 55 Cancriは、太陽から約41光年離れた「かに座」に位置する連星系です。55 Cancriは太陽の約0.9倍の質量を持つK型矮星で、5つの惑星(4つのガス惑星と1つのスーパーアース)の存在が現在までに確認されています。
最も内側に存在する 55 Cancri eは 約8.3倍の地球質量、約2.2倍の地球半径を持つ短周期のスーパーアースです。55 Cancri eの平均密度は、地球の約5.5g/cm3に比べて 約4.5 g/cm3と低いことから、鉄/岩石成分以外に、全質量の20%以上もの(超臨界状態の)水を保持している可能性が示唆されています。

 また、55 Cancriは非常に金属量(水素・ヘリウム以外のすべての元素の存在量)が高く、(酸素に比べて)炭素に富んだ恒星と言われています。そのため、中心星近傍に存在する55 Cancri eは、地球のようなSiO2主体のケイ酸塩鉱物(例えば、MgSiO3)ではなく、SiC (炭化ケイ素), C (グラファイト/ダイヤモンド)といった物質から構成される「炭素惑星」の可能性も指摘されています。

文責:堀 安範(University of California, Santa Cruz)

 (イメージ図) 中心星近傍を約17.6時間で公転するスーパーアース、 55 Cancri e  (クレジット:NASA)


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